LACETELLE0062
-the CREATURES-
intermission

教えて!!レオンさん(笑・仮題)

注・この頁は書き手の個人的な疑問であったり妙ちきりんに矛盾している点であったりを、何とかかんとか解決したりクリアしたりする余談頁です。要するにいらん話ですので「こんなんいらんわー!!」とか思う方はブラウザの「戻る」でお戻りになるか、読後に怒ったりしても何にも出ませんので御了承下さい、って言うかもう先に謝っときます、御免なさい(待て)

 

というわけで今回のナビゲーター、レオン。ニーソンだ。ここではこの俺が、ミッシュ・マッシュの色んな疑問について、俺の知っている限りで答えていこうと思う。組織のことは大体解っているつもりだが、俺も正直そんなに賢いほうじゃないし、人間誰にも物忘れってのがある。それに、機関構成員ってのは結構頭数がいたりして、全員のプライヴェートまで把握しきれるもんじゃないし、そういう出刃亀趣味もそんなにないんでな。ま、期待に添えるかどうかは解らないが、一つ宜しく頼む。

「はーい、レオンさん、しつもーん」

早速質問か、何だい?マデリーンちゃん。

「えっとお、ミッシュ・マッシュって、どういう意味?」

おお、基本的な質問だな。あーこれは確か「ごちゃ混ぜ」とかいう意味の……造語か?俺達の所属する特務機関の通称だな。因みに正式名称は「ラステル四国連合国防軍事特務機関」……長くて解り難いだろう?因みに、ラステルには四国各国にちゃんと軍隊が存在するんだ。どうしてか?そこまでは俺も良く知らないが、まあ何だ、連合国やってても、実はそんなに仲が良くないってことなんだろうな。そう言えば「ミッシュ・マッシュ」ってのも長いからってんで、良く「特務機関」って呼ぶヤツもいる。けど連合の特務機関は実は他にもあるから、テストの時には注意だぞ。は?フツーの学校のテストにはそんなの出ない?ま、まあ、そうかもな、ハハハ。

 

さて、次の質問はー……公募?何だそりゃ。ありえるのかそんな質問……まあいい、細かい事は抜きだ。えー、余所の次元の山奥在住の方……誰だよこれ……あー、機密?機密か……じゃあ突き詰める訳にも行かないな。何となく予想はつくんだが……あ、オフレコ?解った、解ったよ、話を進めよう。質問は、これか。

 

【ミッシュ・マッシュは軍事組織なので構成員は軍事組織の人間ですよね?軍人とどう違うんですか?】

 

どう違うのか……そうだな、まず所属が違う。特務機関は『軍』とは分けられてる。これは兵器の特性のためなんだが……俺達の乗ってるマシンメイス、ってのは誰でも訓練したら乗れるってもんじゃなくてな、まず体の耐性が問われる。ぶっちゃけ、揺れまくるんだ。まずその揺れや振動に耐えられる体質でなきゃなれない。他にも運動神経とか判断力とか瞬発力とか、何か色々規定があって、逆に言えばそいつさえクリアできたら学歴や出身なんてものと関係なく訓練校に入れる、って事だな。軍人にも体力の最低ラインを測る、みたいなテストがあるみたいだが、軍よりもっとその辺の線引きが厳しいんだ。ああ、これはパイロットに関しては、だな。

特務機関の特性は、さっきも言ったように兵器、マシンにある。マシン自体が機関の機密なんで、その扱いも慎重、って言うのか?外に出来るだけ情報が洩れないようにってことで、それに関わる人間には色々の規定がある。例えば、基地の外に出る際の持ち物とか、外でべらべら変な事を喋らないように、つって厳重と言うか大袈裟な書類にサインさせられる事もある。俺なんか実家、と言うか、家族が全然ミッシュ・マッシュと関係ないからな、色々ややこしいぜ。まあそんな訳でマシンに関わる人間、パイロットの他には整備士や開発担当の技術者なんかが「特務機関構成員」ってことになってて、一応軍務期間だから軍と同じ様な階級が設定されてる。が、所属が軍隊じゃないから軍人じゃない。特務機関構成員、てことになる。

もう一つは、ミッシュ・マッシュでマシンに関わった人間は、国家によって一生「監視下」に置かれる、らしい。俺も良く知らないんだが、これもマシンに関わる人間からその情報が漏れる事を防ぐためのやり方らしい。とは言え組織が出来て二十年ちょいだし、基本「懲戒解雇」とかそういう類のことが存在しない組織なんで、これも眉唾って言えば眉唾なんだがな。あ、そう言えば「自己都合退職」もありえないからな。なったらやめられない、それが原則だ。軍人は「退役」ってのがあるが俺達は死ぬまで「戦争代行人」だ。そこが一番大きな違いかな。

「そう言えばレオンさん、どうしてパイロットの人って「スーパーエリート」って呼ばれるの?」

お、マデリーンちゃん、またいい質問だな。実は俺は基本、その呼ばれ方、好きじゃないんだが……俺も一応その「スーパーエリート」って呼ばれてる。マシンのパイロットだから仕方ないが。

ミッシュ・マッシュでもパイロットだけがスーパーエリート、つって呼ばれる。どうしてか?その辺の理由も実は良く解らないんだが……ああ、これは俺だけの話じゃない、誰も良く知らないんだ。色んな説があって、まあ都市伝説みたいなもんなんだが、有力な説は「入隊テストが難しいから」らしい。要するに元々は揶揄って呼んでた、って事だな。他にも、他の職じゃ考えられないくらいの膨大なサラリーがもらえるから、とか、ペーペーで入ってもいきなり下士官の階級を与えられるから、とか、一部じゃ「国家を守る崇高な役目に就いているから」なんて言われてもいる。崇高かどうかは解らんが、仕事はそれなりにハードで、サラリーもいい。フツーのヤツらじゃ動かせない様などでかい機械も乗り回してる。まあ呼びたいヤツには好きに呼ばせときゃいいさ。

「戦争代行人」ってのは……まあ、読んで字の如く、ってとこか。俺達は建前、一応「軍人」じゃないってことになってる。軍人じゃないのに国防に携わって戦争をする。だから「戦争代行人」らしい。でもこれも正式な呼び方じゃないから、スーパーエリートとそう変わらないかもな。

「なーレオン、じゃー「スーパーエース」ってのは?」

おーおー、ジェイク、お前にゃとんと縁のない代名詞だぞ、そいつは。

「悪かったな(怒)」

スーパーエース、ねぇ……俺も一度はそんな風に呼ばれてみたいねぇ……こっちのは、まあ仇名みたいなもんかな。エース、ってのは読んで字の如く「一番」って意味だ。どこの国の辞書にも大抵そんな風に書いてある。まあずば抜けて優秀なパイロットに送られる、称号って言ったら言いすぎだが、正式なもんでもないし、何つーか「賞賛の句」みたいなもんだな。エースの中のエース、パイロットの中のパイロット。簡単に言えばうちの副長みたいに、大した年季もないのに戦績がやたらに飛びぬけてるヤツのことを言ったりする。ああ、副長、俺は別に君に嫉妬もしてないし、揶揄ってるつもりもないぜ?けど十六で入隊して、するなり教導隊すっ飛ばしで実戦部隊に配属、なんて、訓練校で相当の成績出して来なきゃ出来ない芸当だ。スーパーエースの呼び声も、当然だろ?

「いやそれ、物凄くプレッシャーなので、やめていただきたいんですけど……」

また謙虚だねー、副長。構うこたねぇだろ、何しろあの「トリオG」のラスボス、我等がアストル・ガベル隊長の英才教育の賜物なんだ。もっと驕ってもっと誇れ、なあ?若人。

「ニーソン少尉、余り副長を苛めると、報復が恐いよ」

「グリュー少尉……何です、それ」

ついでに、なんでそんな怖いことをにこにこ笑って言えるんだ、エド。俺はお前のほうがよっぽど恐いぞ。

ああ、少し付け加えると、ミッシュ・マッシュには色んな綽名をつけられてる人間がいる。大抵パイロットだが、まあこれは陰口めいたのから結構本気で褒めてるのや、恐がられてるのや、色々だ。そこを見極めるのはそれぞれの勝手だが、そういう呼び名があるってことはそいつが一筋縄じゃ行かないって、そういう証でもある。ま、「スーパーヘボ」ってのは明らかに……。

「明らかに、何だよ?」

……いやいや。小さい事だ、気にするな、若人。

例えば「トリオG」って有名なのがあるが、説明するまでもないだろうが、この三人は常に戦績ランクでトップ争いをしてて……あ?最新データだとガベル隊長が四位に転落?ほー……まあとにかく、ミッシュ・マッシュ最強の三人の名前の、共通する一字を取って「トリオG」なんだが、この三人が結託したらラステルくらいすぐ壊滅させられるだろう、とも言われてる。本気でやられたら困るというより恐すぎるが、要するにこの三人の結束の硬さ?そういうのを物語るためのオマケだろうな。そう言えば「トリオG」の面々には一人ずつちゃんと仇名があって、うちの隊長が「ミッシュ・マッシュの人食い熊」ガトル・スライサー大尉が確か「ミッシュ・マッシュの兄貴」あー……言い得て妙だな。俺の知ってるヤツであの人の部下になったヤツも、あの人のことかなり尊敬してたからなー……いいよなー、そういう上司の下で働けるってのは……正直ちょっとうらやましい。で、残る一人が、えーと……。

「ミッシュ・マッシュ一の色男、てか?いやー、そんなに褒められると流石に恥ずかしいなー、って、本当だけどよー」

「何言ってんだよ、ジジイ。若白髪のくせに」

「マチルダ、俺のこの髪は白じゃない、プラチナだ。色が抜けた訳じゃなくて生まれたときからこうなんだ。それに誰がジジイだ、え?」

シロ・グランド中尉……実は俺、この人のことあんまりよく知らないんだが、副長にちらっと聞くとかなりの問題児っぽいんだよなー……確か仇名が……。

「「トリオGの万年発情男」ってんだよ、この馬鹿のは」

そーそー、何かそういう、あんまりお上品じゃない感じ……って隊長、いたんスか……(汗)

「アル、そういういい方はないだろう?俺とお前の仲なのによー」

「そういういやらしい言い回しはよせ。俺とお前に一体どういう関係があるってんだ、え?……だから絡みつくな、うっとうしい」

そう言えば隊長は、グランド中尉と同期でしたっけ?訓練校から、ずっと一緒なんスか?

「一応な」

「そ。俺達そーゆー仲なんだよ。ああでも言っとくが、俺は男には興味ないぜ?アルとはあくまでも親友……いでっ!アル、なんで殴るんだよ!」

【がすがすがすがす、どかどかっ】(効果音)

うっわー、フルぼっこだ、こえー(怯)

ま、まあとにかく、ミッシュ・マッシュには色んな人間がいて、色んな仇名がある。つけられるってのはまあ、一種のステイタスかもしれないな。俺も時々『闘犬』とか呼ばれるが……これはどうなんだろうな、呼ばれてる本人にはどうとも言えないな。

「あれ?でもニーソン少尉、いつだったかそれでいい目も見たって言ってなかったかい?ナンパが成功した、とか……」

エド、その辺はナイショだ。マデリーンちゃんも聞いてるし……。

「へーえ、レオンさんって、そういうこともしてるのねー」

うわ、聞かれた。ちょ、ちょっと待ってくれ、マデリーンちゃん、別に俺は何もやましいことはしてないぞ、お兄さんだって男だし、そりゃ時々は年頃の女の子と食事くらい……。

「何そんなにうろたえてんだ?レオン。何もやましくないんだろ?」

「ジェイク、あんまり彼を苛めちゃだめだよ。かわいそうだから」

「だなー、本命にあんなこと言われたらなー」

ちょっと待てジェイク、誰が誰の本命だって?それに、二人揃ってあからさまにニヤニヤ笑うのはやめろ!それじゃまるで俺が幼女趣味みたいじゃないか!俺は健全な成人男子だぞ!年頃の可愛い女の子にちやほやされて、一緒にメシ食いたいののどこが悪い、ああ?

「何だレオン、犬扱いがそんなに嬉しいのか。そういう趣味とは知らなかったな」

待てカイル、今なんて言った?てかいつ俺がそんなこと言った?

「うっわー、何だよレオン、実はそうなのかよ」

「幼女趣味よりそっちのほうが設定としてはリアルだよねぇ……僕、君ともっと距離を置くべきかなぁ……」

ちょ、ちょ、ちょっと待て三人とも!俺はまともだ、健全な成人男子だ。幼女趣味でもなきゃ犬でもない!俺はマトモだぁぁぁっっ。

 

【間】

 

えー……途中から失礼します。諸事情ありまして、ニーソン少尉から交代してほしいと希望がありましたので、ここからは僕、フェーン・ダグラムが皆さんの疑問や質問にお答えしたいと思います。僕も、余りこういうことには自信がありませんが、答えられる限りは答えたいと思いますので、宜しくお願いします。

次の質問は、えーと……組織について、ですか。

 

【ミッシュ・マッシュの構成員の戦闘訓練は、どんな事をどのくらいしていますか?】

 

訓練については、中央基地にいて待機命令の間、前線で大規模な策然や戦闘が展開されていない、比較的戦況が大人しい時には大抵毎日しています。僕達の職務はマシンメイスでの戦闘なので、マシンでの戦闘の訓練が主ですね。どんな事をどのくらい、というのは、これも機密になるので詳しくは教えられませんが、事務的な処理などがない場合はほぼ一日、それぞれのパイロットに合わせたメニューを組んでそれに従って、という感じです。メニューの作成は、戦績や体調などを考慮して、コンピューターで自動的に作るものだったり、上官の指導で作るものだったりと色々です。勿論メニューを作ったり、それに従ったりするのが面倒だという人もいますから、強制でもないし、原則パイロット任せ、というところでしょうか。勿論、集団での軍事的な訓練もしています。その辺はミッシュ・マッシュも国防軍事特務機関ですから、ちゃんとありますよ。ただ僕らの小隊は……ああ、これ以上はオフレコだそうです。作戦の都合もありますので、この話はここまでという事で。

パイロットという職務上、体が基本ですから、それ以外にも体を鍛える事も僕らの職務の一環になってきます。これは訓練とは違うかもしれませんが、ジムで体を鍛えたり、建物の外で走り込みをしたり、待機中にそういうことをする人も結構います。僕も入隊した手の頃、体力的に自信がなくて、毎朝走り込みをしたりしてました。でもこれは自主的なトレーニングですね。訓練の話とは違っちゃったな。

そう言えば時々「特務機関の人間は軍人だから戦争のプロだろう」って仰る方が見えます。その通りなんですが、僕達の組織は軍ではない上、主装備はマシン・メイスだけ、戦闘もそのマシンに搭乗してだけ行なうのが原則なので、生身での白兵戦の為の訓練というのは殆どしていません。本来ならするべきなんでしょうが……これは、僕個人の見方なんですが、かなりセーブさせられているみたいです。軍による白兵戦や戦車や戦闘機を使った制圧戦を仕掛けられた場合にも、僕達はマシンでそれに対応します。それを考えたら生身の白兵戦の訓練はいらないんじゃないか、という見方も出来ますが……仮にマシンが破壊されたり、使えなくされた場合、それだと僕達には戦う術がありません。可能性としてはかなり低い事ですが、そういう懸念もしておいた方がいいんじゃないのかな……あくまで僕個人の考えなんですけど。

でも一応生身でもそれなりの戦闘能力がないと、マシンに搭乗しても戦闘が行えませんから、男子は各国の軍の、大体六割程度のレベルの訓練を行なっています。とは言え個人技の格闘みたいな事が主ですが。女子は希望者のみで、レベルは男子の半分くらいですから、一般市民の女性が鍛えているより実践的な程度、と言ったところじゃないでしょうか……ああ、言い忘れていましたが、これはパイロットに限ります。他のマシン関与者には戦闘訓練は一切ありません。一応軍事組織なので全員に階級はありますが、他の職業の役職名と同じ様な感覚ですね。

「なあフェーン、カリナのヤツも本当に、その手の訓練してないのか?」

さぁ……マチルダ、君だって白兵の訓練は殆どしていないだろう?気になるなら本人に直接聞いてみればいいじゃないか。

「ばっ、馬鹿言え!そんな怖いことできるか!」

……そうかもね。

 

次の質問は……階級について、ですね。

 

【パイロットの階級について教えて下さい。入隊して最初に少尉というのは、ちょっと変なのでは?】

 

ミッシュ・マッシュ、というより僕達パイロットの組織内での階級は、確かに他のマシン従事者に比べると異様に上位です。これは組織の方策の一環で、言ってみればパイロットに媚びているようなもの、ですね。先にニーソン少尉が説明していると思いますが、パイロットになるには特別なテストをクリアして、訓練校である程度の成績をクリアしなければなりません。聞いた話だと、パイロット志望の人間はそれがクリアできるまでずっと訓練校に留め置かれるそうですから……僕は半年ですみましたけど。

「フェーン、それは嫌味か、俺へのあてつけか?」

え?いや、そんなつもりじゃ……(汗)

「ジェイク、副長の邪魔をしないの。ごめんなさいね、副長。ジェイクが邪魔をして。それに、貴方が訓練校を出るまでに四年もかかったのは事実でしょう?」

……ああいえ、気にしていませんから。

「大体貴方って人は、どうしてそうやって人の邪魔をしたりするの。もう少し回りのことを考えて行動しなさいっていつも言ってるでしょう?全く……」(以下小言が続く)

あのー……まあ、いいか。えーっと、階級の事でしたね。

僕達パイロットは任官と同時に少尉という階級を貰います。さっきも説明しましたけど、半分は組織のパイロットへの「媚び」です。同時に、最初から士官の階級を準備しているんだから、しっかり職務に従事するように、という戒めでもあります。

階級は年数や功績で上がっていきます。これは各国の軍と同じで、少尉の上が中尉、大尉、そして、少佐、中佐、というようになっています。とは言えパイロット出身者で詳細上に昇格することは殆どないようです。僕らの大隊の大隊長であるジョルジォ・レイシャ少佐も、パイロット出身で初の少佐任官で、なってから数年になるそうですけど、それ以上階級も上がらないのでは、とも噂されています。大隊の長ともなるとパイロットを束ねる立場ではあってもマシンに乗ることはないそうで、レイシャ大隊長がその役職に就くまでは、組織の運営、管理のために出向しているスティラの軍属の人間がその席を占めていたそうです。

そう言えば、これは蛇足かもしれませんが、ミッシュ・マッシュの運営、管理はスティラ軍に殆ど委託されています。マシン関与者以外の関係者は八割以上、スティラ軍からの出向者です。例えば司令部のキャバリエール中佐は、本国に戻ると少尉らしいんですが、ここでは僕達の管理が職務になっていて、その為にミッシュ・マッシュでの階級を持っているそうです。そう言えば総務のザカー伍長は、スティラに戻ったらどのくらいの階級なのかな……聞いたら怒られそうですから、そういう詮索はやめておきますが。

「あー、なんか、風の噂なんだが」

何です?グランド中尉。何か?

「『ロボットのパイロットが少尉なのは伝統』らしいぞ」

……え?伝統って、どこのですか?

「チキューボーエーグンってとこで、赤青白のカラーリングのやたらに目立つ新型巨大人型兵器が、目立ちまくりなのに追撃もされないで宇宙で戦争してる辺りから、って言ってるぞ」(笑)

……誰が?(汗)

 

【組織の中に倫理委員会がある、とのことですが、それはどんなものですか?どういう活動をしていますか?】

 

倫理委員会は、そうですね……まず、一般の会社などの労働組合とは違います。どちらかというと学校の風紀委員会みたいなものに似ています。僕達の組織も、色々と建前はありますが、結局は人間の集まりですから、トラブルもそれなりに発生します。その仲裁や解決をしたり、未然にそうしたトラブルを防ぐ役割を持っているのが倫理委員会、なんじゃないでしょうか。委員会は各基地の駐留構成員で組織されていて交代制、原則として任期は一年、経験者は免除、となっていますが、希望者は全員委員になることも出来ます。だから何年も倫理委員をしている人もいます。僕はまだ経験がない、というか、多分除外されていると思います。ああ、委員の対象から除外される構成員もたまにいるんです。え?僕ですか?いや、理由は、多分……でも僕にも色々あるので、オフレコにしておきます。すみません。

「出身や階級、戦績は関係がない、ってのは付け加えとくがな。あ、後、処罰を受けた回数が多いヤツは委員になれないっつーか、されねぇな」

隊長は、そう言えば……委員になったことは?

「一度もねぇな。まあ俺は営倉にも何度も入ってるし、降格も食らってるしな。突き出されそうになった事もあるぞ」

……笑いながら言わないで下さい。

倫理委員会は機関構成員のための自治組織のような役割も持っていて、組織の環境改善や構成員の待遇改善の為の活動もしています。大体委員会の申請は八割がたは通るみたいですが、組織運営や国防に深く関わる懸案は、握りつぶされる事が良くあるそうです。組織自体、倫理からかけ離れた部分がありますから、仕方ありませんけどね。

「フェーンさんフェーンさん」

何だい?マデリン。

「倫理委員会のことは解ったけど、もう一つある『特別倫理委員会』って、なぁに?」

あー……特別倫理委員会か……。

特別倫理委員会、というのは、メンバーは全て女性で、有志によって運営されています。特に女性が抱える問題について活動していて、ええーと……ど、どう説明したら、いいのかな(困)

「一口に言えば『セクハラ対策委員会』だな」

「せくはら?」

隊長……それは、確かに……そうなん、ですが……。

「ラステルはどっかの帝国と違って男女同権は当たり前だが、生き物の特性としてどうしても女の方が男より向いてない事があるだろう?馬鹿なヤローがいて、そういうのをあげつらったりそれで揶揄ったり、挙句嫌がらせしたりする。それがセクハラだ」

「性差を逆手にとってする苛め、ってこと?」

「おー、マデリン、難しい言葉を知ってるな。流石は十二で社会人だ」

えー……そうですね、簡単に説明すると、女性によるセクシャルその他のハラスメント行為の対策室のようなものですね。特別倫理委員会は倫理委員会とは全く別の組織で、有志の集まりです。とは言え特別倫理委員会で定義された問題が倫理委員会に持ち込まれる事もあって、その問題解決に倫理委員会が動くこともあります。それでも連携をとっているわけではないし、下位組織というわけでもありません。あくまで有志の集まりです。

「つーかぶっちゃけありゃシロの馬鹿がやらかした面倒事を何とか丸く片付けるためのグループだろ?他のことで動いてるのなんて、滅多に見ねぇぞ?」

いや……隊長、それは委員会への侮辱と取られますよ……グランド中尉は他の構成員に比べて女性に関するトラブルが倍以上多い方ですから、そういう風に見えなくもないですが……ちゃんとしたハラスメント対策もしているようですし。

「フェーンさん、ちょっと聞いてもいい?」

何だい?マデリン。恐い顔して。

「年齢差を逆手に取った苛めに対応してくれる委員会ってないの?」

うーん……ごめん、聞いた事がないな……マデリン、誰かに何か、言われたのかい?

「って言うか、あたしだってちゃんとパイロットなのに、どうしてみんなあたしのこと子供扱いするの?」

「しょーがねーだろ、チビなんだからよ」

「何よ!そういうマチルダだって、背はあたしより小さいじゃない!」

「馬鹿言え!そりゃ俺のブーツのヒールが高くないだけだ!」

……あー、喧嘩はよそうね、二人とも。大人気ないよ、うん。無理かもしれないけど。

「そう言えばお前一回、ドゥーローの特別倫理委員会に捕まりそうになってたよな?メイネアとの事で」

あれは……隊長、あれは、言っておきますが……ああ、すみません、これは僕のプライヴェートの問題ですから、皆さんには関係ないことですね。でも、僕は潔白、と言うか、う、後ろめたい事は、何もないですから。

「ほーお、後ろめたくない、ねぇ?」

……何ニヤニヤ笑ってるんですか。

「別にィ。俺は男として、お前は見上げたヤツだと思ってるが、その事に関して関係ない、なんていうとは思ってなかったなぁ」

か、関係ないなんて、言っていないでしょう。僕には後ろめたいところがないと、そう言って……第一あの時はローラン少尉が一人で勝手にっ……。

「もてる男は辛いねぇ?ダグラム少尉」

「なぁに?フェーンさん、どうして真っ赤になってるの?」

ああいや……大した事じゃないんだ。気にしなくていいよ、マデリン。

「何言ってる。大した事だろうが。あのな、マデリン。ここにいるフェーンってヤツは、軟弱な優男みたいなツラして……」

それ以上変な事をマデリンに吹き込まないで下さい、それこそ僕とフォールト大尉を侮辱したと言って、倫理委員会に駆け込みますよ!(怒)

「おー、恐ぇ怖ぇ」

「え、なぁに?何なの?」

 

 

 

あー……ちょっとすっきりした(待て)気が向いたらもーちょっと書くかもしれません(笑)

御意見御感想御要望などありましたら、掲示板此方までお願いします。

【うやむやに続く】

 

 

 

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Last updated: 2008/05/04