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桃源郷(T)(常願寺川支流)
釣り人にとっての「桃源郷」とはいったいどこであろうか。一般には俗世間を離れれた幻想の世界なような雰囲気の言葉でではあるが、渓流釣り師にとっては入れ喰い状態なのか、はたまた・・・・人それぞれではあるが私にとっての桃源郷は1992年の9月に遭遇した。川の名前はあえて語らないが、富山県の常願寺川の支流とまでは言っておこう。
9月ということで、今年の渓流釣りも今月いっぱいでフィナーレを迎える。私と友人のMさんは常願寺川の支流へ出かけました。以前、友人が一度釣行したことがある川で、まあまあの実績があったようだ。入渓後、私は上流部へ行き、彼はえん堤を狙うということで、分かれることにした。
上流部は、川幅1〜2メートル程でしかもボサが多く、ちょうちん釣りを強いられる。水量も少なくてこんな所で釣れるのかと心配になるが、ほんの小さな落ち込みでも直ぐにアタリがあり、チビイワナが釣れてきた。そして、奥に行くにつれ型も良くなってきた。蜘蛛の巣を掻き分けて進んでゆくと、途中に3メートル程の滝が現れた。丁度、この滝が現れる前のポイントでは良型のイワナを掛けたのだが、枝に仕掛けを絡ませてしまい、バラシてしまったので慎重になった。

<最初に現れた滝> <良型をバラシた滝下のポイント>
最初に白泡の切れ目に仕掛けを流すと「グーン」とした強い引き。何とか引き寄せてタモに収めると24センチの堂々としたイワナ。次に今度は白泡の中へ流すと、思い切りサオがしなった。仕掛けがちょうちん釣りなので無理をすることが出来ず、竿を少したたみ、淵の中へ引き込まれるのを何とか持ちこたえた。上がってきたイワナをタモに収めた時にはドッと汗が噴出した。これもまた丸々太ったイワナで30センチを超えていた。これに満足した私はこれで納竿としたが、心配した友が丁度、迎えに来てくれたところであった。

<尺上もまじり大満足>
さて、友人の様子を聞きながら藪の中を下り、えん堤のプールに到着した私は目を疑った。
先ほど私が釣った尺物を遥かに越える大物が悠々と泳いでいるのがこの目に飛び込んできた。しかも1匹や2匹ではない、何十匹と泳いでいるではないか。しかもこのプールの中を優雅に回遊している。この光景に見とれてしまい、しばし唖然としてしまった。こんな世界があったとは・・・・「桃源郷」の3文字が頭の中を魚と一緒にぐるぐるまわり、思わずプールの中に引き込まれそうになったのであった。
この後、餌竿、ルアー、テンカラ、持っている全てで挑戦したが、えん堤の上から最初に覗いたので魚には丸見え状態では釣れるはずもなかったのは言うまでもない。上流で釣ったイワナを生かし魚篭から取り出して、静かにプールの仲間達の元へ見送ってあげました。
※こんな光景はもう二度と見ることはないと思ってましたが、他の川でもう一度遭遇することに・・・・・。